特定非営利活動法人 愛知県理学療法学会

第32回
愛知県理学療法学術大会

大会長あいさつ

 理学療法士・作業療法士法は1965年に制定され、半世紀を超えました。まだまだ歴史的には若い資格ですが、この50年間の中で2000年の介護保険法施行後、回復期病棟、地域包括医療、疾患別リハビリテーション等の改正が急速に進められています。教育では、1979年に金沢大学医療短期大学部、1992年には広島大学が設置され、続いて大学院教育へと学問的体系は発展しています。2020年には20年ぶりに大きく改正された指定規則が施行されました。救急医学、薬理学、栄養学、画像診断学をはじめとした必須科目の設定は、理学療法士への責任の重さを物語っていると受け取れます。
 2006年の診療報酬の改定では、疾患別リハビリテーションの新設に伴い専門性が一層明解になったと思います。さらに、理学療法の領域はがんリハ、廃用性リハの追加、介護領域の拡充、東京オリンピック・パラリンピックでの活躍、健康増進へと拡大しつつあり、理学療法士への期待は益々大きくなっています。この教育・学術の発展と職域の拡大が繰り広げられている今、新たな理学療法が開花していると認識しています。そこで今回の学術大会では、学問を追究し臨床での効果を裏付ける学術体系、理学療法の職能の向上に加え医療保険に捉われず予防や産業理学療法、ロボット、AI等を応用した職域の拡大に着目し、医学・医療が発展する中で医師との連携を強化し、理学療法の確立を強固にしなければなりません。特別講演ではリハ医から理学療法士の未来への提言、パネルディスカッションでは医師、理学療法士の現状と将来への展望について考える場としていただき、企業ブースでは機器体験とハンズオンセミナーによる知見の拡大を目指します。また、一般演題では若手の発表とフォロアーからの助言や指導を含めたディスカッションを期待しています。
 ポスターには今後の発展を切に願い、夢をかなえる「青いバラ」、理知に富んだ教育「八重桜」、未来を見つめる「ヒマワリ」、逆境で生まれる力「カモミール」を取り入れました。理学療法の領域は未知に富み、ロボットやAIに勝る知識と技能が望まれます。この学会ではリハビリテーション医との連携を軸に、卒前・卒後教育(レジデント・リカレント教育)の構築、臨床力の向上など医療現場におけるニーズへの対応、予防・健康増進(産業分野)への拡大を図り次世代へ開花していくことを切に願います。どうぞ多くの皆様のご参加をお願い申し上げます。

浅井友詞
第32回愛知県理学療法学術大会
大会長 浅井友詞

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